リードナーチャリングでよく使われる手法
リードナーチャリングとは、見込み顧客を育成して商談や成約につなげるためのマーケティング手法です。主に次のような方法で行われています。
・メール
・オウンドメディア
・SNS
・ホワイトペーパー
・ウェビナー
・リターゲティング広告
上記で比較的簡単で広く行われているのは、メールとオウンドメディアです。継続的に情報発信することで、リードを育成します。最近ではSNSを利用する企業も多いです。SNSの場合、企業側からの情報発信だけでなく、コメントなどを通じた双方向のコミュニケーションもとれます。
ホワイトペーパーは、メールやオウンドメディアと併用しやすく、より詳しい情報を発信できます。
ウェビナーは手間やコストがかかりますが、BtoBにおいて効果的です。
リターゲティング広告は、すでに自社サイトに対して何らかのアクションを起こしたユーザーに絞って配信される広告です。一定の興味を持っていることを前提とした内容に設定します。
リードナーチャリングの成功事例4選
リードナーチャリングの成功事例を4つ紹介します。
株式会社マックスプロデュース|コンテンツマーケティング
株式会社マックスプロデュースは、企業の社内イベントやプロモーションなどを実施する際のサポート業務を行う会社です。サービスの性質上、新規開拓が難しいのが悩みの種でしたが、オウンドメディアによるコンテンツマーケティングで解決を図りました。
社内の担当者は、普段は他の業務を行っているため、準備や当日の進め方などについてよく分からず悩んでいることが多いという現状がありました。
そこに目を付けて社内イベントの準備や必要な演出などについてのコンテンツを配信する方法で、リードナーチャリングに成功しました。
日本電気株式会社(NEC)|インサイドセールス
日本電気株式会社(NEC)では、以前まではリードへの対応が担当部署ごとにバラバラで統一されていない状況でした。2016年以降、インサイドセールス部門を設立し、リードへの対応を集約するという手法をとっています。
また、自社サイトの行動履歴から見込み顧客を抽出し、該当する会員にメールを配信するという手法も特徴的です。自社サービスについて詳しく認知してもらえるようになり、多くの商談機会につながっています。
株式会社シンフィールド|メールマーケティング
株式会社シンフィールドは、マンガマーケティングを行っている企業です。展示会を年に数回開催しており、そこで得られた名刺をリードナーチャリングのリストとして活用し、メールを送信する手法をとっています。
メールは情報提供する内容のものと、引き上げ目的のものの2種類あるのが特徴です。情報提供のほうは定期的に配信し、引き上げ目的のほうは成約可能性の高い見込み顧客に対して不定期に配信しています。
引き上げ目的のほうにのみURLを記載し、クリックした見込み顧客にフォローコールをするという具合です。フォローコールした見込み顧客からは、10~15%程度のアポイント率を実現しています。
SAPジャパン株式会社|ウェビナー
SAPジャパン株式会社は、ソフトウェアを販売しているドイツ企業の日本法人です。ウェビナーを開催して、見込み顧客との距離を縮めるとともに自社製品に関する情報提供を行っています。
既存顧客へのインタビューもあり、自社製品の魅力をうまく伝えているのが特徴です。リアルタイムでウェビナーを視聴できなかった見込み顧客に対しては、オンデマンド配信も行っています。これにより、10億ドル以上の売上獲得につながりました。
【STEP別】リードナーチャリングの進め方
リードナーチャリングの進め方について、5つのステップに分けてみていきましょう。
【STEP1】リードの情報を整理する
Webサイトや名刺などさまざまなところからリードの情報が集まってくるため、扱いやすいように整理しましょう。デジタルとアナログの両方の情報が混在していると扱いにくいため、まとめ直しが必要です。
マーケティングオートメーションツールを利用すると、大量の情報でも効率的に管理できます。
【STEP2】カスタマージャーニーマップを作る
カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客が自社の製品やサービスを認知してから成約に至るまでの過程をまとめたものです。
カスタマージャーニーマップがあると、各プロセスでの見込み顧客の行動をイメージしやすくなります。ニーズも把握しやすいため、リードナーチャリングの施策を考える上で有用です。
【STEP3】CVごとにアプローチ方法を設定する
CV(コンバージョン)によって適切なアプローチ方法が異なります。効果的にアプローチするため、CVごとにどのような方法で行うのかあらかじめ設定しておきましょう。
例えば、資料をダウンロードした場合には他社と比較検討中の状態です。当日のうちに架電することで購買意欲を高められます。セミナーに申込をした場合には、自社に決める方向で検討している状態です。架電や資料送付などでアプローチするのが良いでしょう。
ホワイトペーパーを閲覧した場合は、すでに購買意欲が高い状態です。当日のうちに架電すれば、成約につなげられる可能性があります。
【STEP4】リードの優先順位を決める
リード数が多い場合には、すべてのリードに対してアプローチするのは難しい場合もあります。そのため、優先順位を決めておきましょう。
例えば、リードの行動をもとにしてスコアリングする方法があります。検討度が上がった場合の行動をとったリードに対して優先的にアプローチする方法も効果的です。
【STEP5】施策を実施し、PDCAを回す
STEP1からSTEP4までを実行して、アポイントを打診してみましょう。そして、アポイント率や案件率、受注率などのデータをとり、分析するのが大切です。分析結果をもとにして、PDCAを回していくことで、次回以降の受注率を高め、より効果的な施策を実現できます。
リードナーチャリングを成功させるためのポイント
リードナーチャリングを成功させるためには、次のようなポイントを押さえておくことが大切です。
リードの情報を一元管理する
各社員がリードの情報を別々に管理していると、効率的なアプローチは困難です。社内でリードの情報を一元管理できる体制を整えましょう。リードの情報をデータベース化しておくことで、担当者が不在のときなどにもスムーズに対応できます。
マーケティング部門だけでなく、他の部門とも連携できる体制を整えておくと、なお良いでしょう。
施策を継続できるような体制を作る
リードナーチャリングはすぐに完了するものではありません。成果につなげるためには、時間をかけて施策を実行していかなければなりません。そのため、施策を継続できるような体制が必要です。
施策を実行するための人員や予算などのリソースを、あらかじめ確保しておきましょう。マーケティングオートメーションツールをはじめとする必要なツールも導入しておくのが望ましいです。
ホットリードの定義を明確化する
ホットリードとは、成約まであともう少しの状態のリードのことです。ホットリードに対して、最適なタイミングで的確にアプローチすることで成約率を上げられます。
リードナーチャリングを成功させるためには、ホットリードの定義を明確化しておくことが大切です。ホットリードの定義が定まっていないと、的確なアプローチは難しいでしょう。
まとめ
リードナーチャリングは、見込み顧客を育成して成約に導くマーケティング手法です。メールやオウンドメディア、ウェビナーなどさまざまな方法で行われています。いずれも時間をかけて行うため、PDCAを回してブラッシュアップをしていかなければなりません。
また、リードナーチャリングを成功させるためには、情報を一元化し施策を継続できる体制を整えておく必要があります。ホットリードの定義の明確化も必要です。
一方で、リードの獲得が難しいと感じている営業マネージャーの方もいるかもしれません。その場合には、「DX営業代行」が最適です。リスト作成からアポイント獲得まで、一連の営業プロセスをお任せできます。リードナーチャリングに関して困りごとがある場合には、ぜひお問い合わせください。