紹介営業とは「既存顧客から新規顧客を紹介してもらう営業手法」
紹介営業とは既存顧客や知り合い、得意先から新規の見込み顧客を紹介してもらう営業手法です。近年では、リファラルセールスやリファラル営業とも呼ばれています。
営業成績の良いビジネスパーソンほど紹介営業への取り組みを重視しているといわれており、営業マンであれば知っておくべき手法です。
紹介営業のやり方やコツをおさえて取り組むことで、新規顧客開拓やリード(見込み客)の獲得が増える可能性があります。営業の成果を上げたいなら、紹介営業に取り組んでみると良いでしょう。
紹介者となる見込みがあるのは、以下のような人物が挙げられます。
・既存顧客
・社内の人脈
・イベントを通して知り合った同業者
・知り合いや友人
紹介営業を実施する場合には、上記のような人物にアプローチしてみると良いでしょう。
紹介営業を実践する3つのメリット
紹介営業をするメリットとして、以下の3つが挙げられます。
・営業にかかるコストを削減できる
・受注率、成約率が高い
・価格で比較されにくい
それぞれのメリットについて詳しく紹介していきます。
営業にかかるコストを削減できる
紹介営業では、テレアポや飛び込み営業などの数と時間が必要になる営業手法を行う必要がないため、効率的に見込み顧客を獲得できます。
新規顧客開拓の営業をテレアポでする場合、1,000件実施しても契約に至るのは1件あるかどうかです。
その点、紹介営業では1件紹介してもらったところが、そのまま契約に至るということもめずらしくありません。新規顧客を獲得するための時間や労力、人件費の削減ができるのは大きなメリットです。
受注率・成約率が高い
契約に至るには顧客の信頼を獲得することが必要となります。通常の営業から信頼関係を構築していくのは簡単ではなく、時間もかかるものです。
しかし、紹介営業の場合は信頼している人物からの紹介となるので、見込み客も警戒心が弱まり、ある程度信頼した状態で話を聞いてくれます。
好意的な雰囲気の中で営業を進めていくことができ、短い期間でも信頼関係を構築できやすいため、必然的に受注率や成約率が上がりやすくなるのがメリットです。
価格で比較されにくい
紹介しもらった顧客の場合、価格よりも信頼に重きを置いていることが多く、競合他社と比較されにくいのもメリットです。
通常の営業だと、見込み客は価格やサービスなどを同業他社と比較した上で契約するかどうかを決めます。そのため、他社よりも価格やサービス面での魅力がないと、契約してもらうことはできないでしょう。
紹介営業であれば、比較検討の段階をパスした状態で商談がはじめられます。商品やサービスが顧客にとって有益であることを伝えられれば、価格面はそれほど問題になりません。
紹介営業にまつわるデメリット
メリットが多い紹介営業ですが、いくつかのデメリットも存在します。主なデメリット4つを紹介します。
売り上げ目標が立てづらい
紹介営業は、知り合いや取引先から紹介してもらうという受動的な営業スタイルになります。そのため、計画性をもってアクションを起こしていくことが難しいのがデメリットです。
不定期的に営業活動が発生することになり、「いつまでに売上○円を達成させる」といった売り上げ目標を立てづらくなります。
顧客を選べない
紹介者が見込み客を紹介してくれるので、こちらからは顧客を選べません。そのため、紹介してもらったものの顧客になる見込みが薄いなど、紹介してくれる顧客とのミスマッチが起きることもあります。
ミスマッチの主な原因は、ターゲットが曖昧であること、また紹介内容の詳細が理解されていないことです。
紹介営業では、紹介者がいわば営業マンのような役割を果たします。紹介者が見込み客に正しい情報を伝えることができないと、本来の見込み客を逃してしまう可能性もあるでしょう。
紹介者との信頼関係構築を築くのに時間がかかる
紹介者は、信頼のおけない人物に知り合いや友人を紹介することにリスクや不安を感じるものです。そのため、まずは紹介者と信頼関係を築かなければなりません。
信頼関係は一朝一夕で築けるものではないので、時間がかかることは想定しておきましょう。
信頼関係が構築できる前に紹介依頼すると、「ほかの取引先を紹介してもらうために来た」と顧客に悪印象を与える可能性があるので注意が必要です。
紹介者との関係性に影響がある
紹介者の信用を借りる紹介営業では、紹介してもらった顧客に悪印象や不利益を与えてしまうと、紹介者との関係性も悪化するデメリットもあります。
商談が成功してもしなくても、営業マンや営業責任者はそれぞれの関係性が悪くならないように配慮する必要があります。
紹介営業は難しい!成功に導く5つのコツ
紹介営業は新規顧客獲得に有効であり、費用対効果が高いとされています。しかし、紹介者との信頼関係の構築が重要であり、適切なアプローチも求められるため難易度は高めです。
その分、成功すれば高い成果を得られます。ここで紹介する、紹介営業の5つのコツを押さえておきましょう。
コツその1.紹介者との信頼関係を構築する
紹介営業は、紹介者との信頼関係が構築できていないと成立しない営業手法です。紹介者はすでに商品やサービスを利用したことがある人で、その人が誰かに紹介したいと思うような商品やサービスでないと、なかなか紹介してもらえません。
そもそも、良い商品やサービスであれば、アプローチしなくても自然と人に紹介したくなるものです。
紹介者との信頼関係を構築するためにも、日頃から誠実な対応や提案を心がけることが非常に重要です。コミュニケーションに重きを置き、常に親身になって相手のニーズに合わせた提案やアドバイスを行いましょう。
顧客が商品、サービスについて不安や疑問をもった場合には、その都度丁寧に説明し、問題点や改善点を共有すれば顧客との信頼関係を深められます。
また、提案においては、顧客のニーズや状況に合わせた適切な商品やサービスを提供することが大切です。顧客が不要な商品やサービスを購入することになると、信頼関係が損なわれるだけでなく、口コミが悪化する可能性もあります。そのため、顧客にとって本当に必要な商品やサービスを提案することが大切です。
コツその2.「顧客を紹介してほしい」と伝える
紹介者と信頼関係を構築できたら「顧客を紹介してほしい」と正直に伝えましょう。具体的には、顧客に自社の商品やサービスについて満足していただき、さらに自社に興味をもっていただけた場合、その顧客に「ほかの方にも自社の商品やサービスを紹介していただけませんか」とお願いします。
ただし、このようなお願いは顧客との信頼関係を損ねないよう、慎重に行う必要があります。例えば、「商品やサービスを提供した後、一定期間が経過してからお願いする」「お礼のメッセージや特典を用意する」など、顧客に負担や不快感を与えないような配慮が大切です。
また、紹介してほしい会社像、人物像は具体的に伝えましょう。紹介してほしいターゲットに沿っていなければ、営業しても成約につながらない場合があります。
コツその3.最適なタイミングで紹介を依頼する
紹介営業は、紹介を依頼するタイミングが非常に重要です。具体的には以下のようなタイミングが挙げられます。
・契約したとき
・納品したとき
・顧客が商品やサービスに満足していると感じているとき
・新しい商品やサービスをリリースしたとき
・契約セールスキャンペーンを行っているとき
相手がポジティブな印象を抱いているときに、声をかけると良いでしょう。また、相手が商品やサービスに満足しているか確かめるためには、定期的にコミュニケーションを取ることが大切です。「満足した」と言ってもらえれば、そのタイミングで紹介を依頼できます。
一方で、相手がまだ自社の商品やサービスに慣れていない場合や、自社に十分な信頼をもっていない場合には、紹介を依頼することは避けるべきです。
コツその4.紹介者に渡す資料を用意する
紹介営業を補助するものとして、チラシやパンフレットを用意して紹介者に渡すのもおすすめです。自社の商品やサービスの理解を深めてもらえるうえ、宣伝にもなります。チラシやパンフレットを見込み顧客に渡してもらえれば、事前に自社のことを知ってもらえるため、紹介後も営業しやすくなるでしょう。
そして、チラシやパンフレットは見やすく、魅力的な内容にしましょう。一目で自社のサービスだと分かる内容がベストです。
コツその5. 紹介者にお礼と進捗状況を伝える
紹介営業では、丁寧な対応が次の紹介につながる可能性を高めます。
自分が紹介した人がどうなったか紹介者は気になるものなので、仮に進捗状況や結果を尋ねられないとしても報告するようにしましょう。
紹介者に対して都度、進捗報告とお礼を伝えるのはビジネス上の礼儀といえます。商談結果の契約、失注に関係なく伝えることが大切です。
商談結果が分かったらすぐに略式のお礼メールを送り、正式なお礼状が3日以内に紹介者のもとに届くように手配しましょう。
まとめ
紹介営業は既存顧客や知り合いなどから見込み客を紹介してもらう営業手法で、受注率、成約率が高いのがメリットです。営業にかける時間やコストも削減できるので、新規顧客開拓が難しいと感じているなら、4つのステップを参考に実践してみてください。
とはいえ、紹介営業は偏りが生じることがあります。これまでアプローチしていた層に適切にアプローチできなくなるといったものです。そのようなときは、DX営業代行の利用をご検討ください。
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