ソリューション(提案型)営業の意味と手順をわかりやすく解説!

近年、ソリューション営業が注目を集めています。ソリューション営業は顧客が抱える問題や需要を把握したうえで提案を行う手法です。 顧客を主体にしたソリューション営業は、BtoB企業を中心に導入が進んでいます。自社の部署にもソリューション営業を取り入れたいと考える営業担当者も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、ソリューション営業を実践するためのプロセスや、成果を上げるためのポイントを紹介します。


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ソリューション(提案型)営業=「顧客の課題解決」に着目した営業手法

ソリューション営業とは、顧客との会話の中でニーズや抱える課題を引き出し、解決策として提案を行う営業手法です。特徴は顧客に納得してもらう営業手法であることです。また、情報の多い時代にも活用できる手法であることが挙げられます。

顧客に「納得してもらうこと」を重視する

顧客の抱えるニーズや課題に対応できれば、顧客の満足度も高いです。営業担当主体でコミュニケーションを図るのではなく、顧客が購入を決断するまでの過程に注目して、納得してもらうことを重視しながら能動的なコミュニケーションを図ります。

情報過多の時代で勝ち残る有効な手法である

ソリューション営業は、情報の多い時代でも有効です。インターネットの普及により、現代では必要なときに必要な情報を集めることが容易になりました。

そのため、誰でも簡単に入手できるような商品・サービスの情報価値は下がってきています。営業担当者からの説明を受けなくても、すぐに情報に触れられる状況にあるためです。

情報が集めやすい一方で、情報の混在によりユーザーは比較検討が難しいという問題が浮き彫りになりました。

そこで、顧客の課題やニーズに沿って解決方法を提案するソリューション営業なら、顧客側の「何を選ぶべきかわからない」という悩みにも対応しやすいです。情報量の多い現代においても有効な営業手法といえます。

【5STEP】ソリューション(提案型)営業を実践するプロセス

ソリューション営業はどのように行えば良いのか、5つのステップに分けて実践の手順を紹介します。

1.顧客情報の分析

顧客のニーズや課題に沿った提案を行うソリューション営業を実践するためには、顧客理解を深めておく必要があります。事前準備として、まずは顧客分析を行うことが重要です。具体的には、以下のような内容を分析し把握しておきます。

・事業規模(従業員数や資本金なども含む)
・事業内容
・経営理念
・業界内での規模や競合
・業界の動向や外部環境の変化
・収益や業績
:今後の戦略

顧客分析のためにはさまざまな角度から最新の情報を集める必要があります。情報量も多いため効率良く情報を収集するならツールの利用がおすすめです。

リストラクター」は、簡単無制限に営業リストを自動作成できます。顧客情報の収集や管理のためのツールとしてご検討ください。

2.ゴールまでのシナリオを策定

顧客分析から得られた情報をもとに、顧客のニーズや課題は何か仮説を立てていきます。仮説の立案は顧客とのコミュニケーションをスムーズに進めていくためにも重要です。

仮説を立てたら最終的に何を提案するのか商談のゴールまで設定します。ゴールを設定するときに、どのように提案までつなげるのか、ゴールまでのシナリオを策定するのもソリューション営業の基本です。

柔軟に対応できるようにしておくためにも、シナリオは複数パターン用意しておくと良いでしょう。

3.ヒアリング

ヒアリングにより課題のすり合わせを行います。立てた仮設と照らし合わせながら丁寧にヒアリングし、顧客のニーズや課題を明確にしていくことが大切です。

しかし、初めての訪問では顧客から十分にヒアリングができないこともあります。顧客の抱える課題やニーズを引き出しやすくするためにも、まずは信頼関係の構築が第一です。

問題解決のためのソリューションや意思があることをアピールしつつ、まずはしっかりヒアリングできるよう地道にコミュニケーションを図りながら信頼を築いていきましょう。

4.解決策の提示

顧客との意思疎通を図りながら課題解決の必要性を認識してもらいます。認識のすり合わせと課題解決の必要性を理解してもらったところで、提案のフェーズです。

提案では、どのように課題を解決するかを重視して、商品・サービスの特徴やメリットなどを紹介します。良い面ばかりを伝えると不信感にもつながりますので、デメリットなどもしっかりと伝えるようにしましょう。事例などを取り上げながら提案をすると、顧客の納得感も得やすいです。

5.クロージング→アフターフォロー

提案後は商談成立に向けてコミュニケーションを取っていきます。商談相手の担当者が決裁者でない場合は、回答がもらえる時期の目安を聞いておきましょう。

商談成立後も、顧客満足度を高め信頼関係を強化するために、サービス導入のサポートなどアフターフォローを丁寧に行うことも大切です。

ソリューション(提案型)営業で成果を得るためのポイント

ソリューション営業で成果を得るにはどのような視点を持つべきなのでしょうか。意識しておくと良い4つのポイントを紹介します。

目的を明確にすること

ソリューション営業では、顧客ニーズに応じて的確な提案を行い、受注を獲得することが最終的なゴールです。

ゴールの過程で存在するのが、顧客ニーズを把握する目的、最適なソリューションを提案する目的、受注を獲得する目的、の3つの目的になります。

ソリューション営業において重要なのは、担当者全員が目的について共通認識をもっていることです。まずはソリューション営業の目的を明確にして、全員が同じ認識のもとで動けるように目的の共有を図りましょう。

「本質的なニーズ」について知ること

ソリューション営業で必要なのは、表面的なニーズを把握するのではなく本質的なニーズを把握することです。本質的なニーズとは、顧客の現状と理想の間で発生しているギャップを満たすためのニーズをいいます。

例えば、従業員同士の情報伝達に課題を抱えている顧客があったとします。課題解決のために、コミュニケーションツールを導入する、1日に1回電話で報告をする、など考えられると思いますが、いずれも解決の手段であってニーズではありません。

本質的なニーズを探るには、最終的にどのような状態を想定しているかに目を向ける必要があります。例えば、上司と部下間の情報伝達を円滑にして仕事の進捗を常に把握できるようにしておきたいといったものです。

顧客のニーズから適切な提案をするには、本質的なニーズを意識することが大切です。

「真の原因」を突きとめること

顧客に最適なソリューションを提案する目的を果たすには、顧客の抱える課題の現状把握だけでは不十分です。なぜ顧客が課題を抱えるに至ったのか、真の原因を明確にする必要があります。

顧客の話のみを鵜呑みにするだけでは、真の原因が把握できないこともあるでしょう。ほかの視点も提供しながら原因を突きとめられると良いです。

顧客の状況にあわせたソリューションイメージを提案する

同じような課題をもつ顧客であっても、状況に応じて解決策は変わってくるはずです。例えば、同じ課題でも今後事業規模が拡大する見込みの高い顧客と、システム導入の過渡期にある顧客では提案内容も変化します。

顧客の状況に合わせた最適な解決先を提案できるように、状況を適切に把握することが欠かせません。状況に合わせて柔軟に対応することで、小さな問題解決が思わぬ大型案件に化けることもあります。

まとめ

インターネット上から情報が簡単に取得できるようになった時代において、顧客の抱える課題やニーズに対して対応できるソリューション営業の重要さは増してきています。BtoB営業において従来の営業方法に課題を感じているなら、ソリューション営業を取り入れていくのもひとつの方法ではないでしょうか。