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コールドコールとは「興味のない相手に対する営業」
コールドコールは、「電話を使った飛び込み営業」ともいえる営業手法のひとつです。相手の興味度合いや求める商品、サービスが一切わからない状態で電話をかけ、アプローチします。
WebサイトやSNSなど、顧客と接点をもつ方法が増えた近年では、「古い」「時代遅れ」ともいわれる営業手法です。
見込み客やすでに接点がある顧客に対しての電話営業は、「ウォームコール」と呼ばれます。
コールドコールのメリット・デメリット
一切接点がない相手に電話営業するという、ややハードルが高めのコールドコールですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット:コスト削減/スキルアップ
コールドコールの大きなメリットは、「コスト削減」と「スキルアップ」です。それぞれのメリットについてみていきましょう。
課題が明確にない来場者を呼ぶ
コールドコールは、相手先に足を運んで飛び込み営業するよりも、営業にかかる時間とコストが抑えられるメリットがあります。
企業の担当者の名刺やWebサイトなどから得た情報さえあれば良いので、手軽にはじめられるのも魅力です。いきなり電話をかけるので、相手先の反応が悪いこともありますが、自社の商品、サービスを認知してもらうきっかけ作りにもなるでしょう。
営業スキルが向上する
自社の商品、サービスをまったく認識していない相手に営業をかけるコールドコールは、担当者の営業スキル向上にもつながります。
興味がない相手に電話を切らせず、自社の商品やサービスの良さを伝えるのは、非常にハードルが高いものです。コールドコールでアポを取るために努力していれば、対面での営業でも役立つスキルが身につくでしょう。
ターゲット層指名型
コスト削減や営業担当者のスキルアップといったメリットがあるコールドコールですが、「成約率の低さ」や「負担の大きさ」といったデメリットもあります。
成約率が低い
コールドコールの大きなデメリットのひとつが、成約率が低いことです。自社に興味がない相手に電話をかけるので、そこから成約につなげるのは至難の業です。話をする前に電話を切られることも少なくありません。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、テレワークが普及したため、オフィスに人が少なく営業電話がつながりにくいデメリットもあります。
電話担当者に精神的な負担がかかる
接点が一切ない相手に電話をかけても、怪しまれて担当者につながる前に切られることが多いでしょう。コールドコールは、営業担当者の精神的な負担が大きいです。
迷惑電話扱いされて邪険な対応をされたり、鬱陶しがられたりもします。何度もこうした対応を受けたり、営業がうまくいかないことが続いたりするとストレスが溜まり、精神的な負担が増えていくでしょう。
企業イメージが悪くなることがある
コールドコールは企業のイメージが悪くなるリスクがあることもデメリットです。面識がない相手からの電話は不信感や不安感につながります。
迷惑電話と捉えられることもあり、企業のイメージを低下させる可能性があるのです。企業のイメージが低下すると、その後の信頼関係にも影響するかもしれません。
コールドコールをすべき企業とやめたほうがいい企業
コールドコールはうまくいけば自社の認知度を高めるのに役立ちますが、失敗すれば企業イメージの悪化につながってしまいます。
そのため、自社にコールドコールが向いているかどうかを、しっかり見極める必要があります。ここではコールドコールが向いている企業と向いていない企業の特徴を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
向いている会社の特徴
まずは、コールドコールによる営業が向いている企業の特徴からみていきましょう。
マーケットの拡大を目指している
マーケットの拡大を目指している企業は、コールドコールによる営業が向いています。特に中小企業でマーケットの認知度が低い場合は、積極的なコールドコールを取り入れたいところです。
人は商品やサービスを購入する際、失敗を避けるためによく知っている企業や付き合いがある企業の商品、サービスを選ぶ傾向にあります。
特にBtoBでは実績が重視されることも多く、広告を打って反響を待つだけではアプローチできない層が存在するのです。こうした層にコールドコールでアピールすれば、少なくとも認知はしてもらえるでしょう。
競合他社が多い
競合他社が多い企業も、コールドコールが向いています。のんびり待っていては競合他社に案件をもっていかれてしまうので、コールドコールでスピーディにアプローチする必要があるのです。
質の高い営業リストがあれば、受注確度の高い企業へ効率的にアピールできるので、価格競争に巻き込まれることも減るでしょう。
質の高いリスト作成なら、営業リスト自動作成ツールのリストクラスターをご活用ください。無料トライアルで、自社に合うツールかどうかをお試しいただけます。
やめたほうがいい企業の特徴2選
商品やサービスの粗利が低い企業や、電話担当者の数が少ない企業にはコールドコールは向いていません。なぜコールドコールが向かないのか、その理由をみていきましょう。
商品やサービスの粗利が低い
コールドコールは成約率が低めの営業手法です。商品やサービスの粗利が低い企業の場合、成約率が低い営業手法だとコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
コールドコールを一定期間試してみて、それなりの成約率が維持できる場合は取り入れても良いでしょう。しかし、成約率が低い、利益率が下がるという場合は、ほかの営業手法を検討するのがおすすめです。
電話担当者の数が少ない
コールドコールの成約率を上げるには、数をこなす必要があります。電話をかける担当者が少ないと数をこなせないので、なかなか成約率が上がらないでしょう。人手不足で担当者の負担が大きくなると、退職につながるリスクもあります。
どの企業でも100%成功する営業手法はなく、これが正解というものはありません。自社の商品、サービスや事業内容、リソースに合った営業手法を取り入れることが大切です。下記の記事で新規営業の手法について紹介していますので、あわせてご覧ください。
新規開拓営業に活用できる6つの手法|新規営業のコツも徹底解説
コールドコールを成功させるためのポイント
最後にコールドコールを成功させるためのポイントを紹介します。
顧客リストを作る
コールドコールの成約率を高めるためには、顧客リストの作成が必須です。顧客リスト作りのポイントは下記の3つです。
・最新の情報であること
・重複していないこと(同じ企業が複数登録されていないこと)
・ターゲット顧客を絞りこめていること
コールドコールは架電者に精神的負担がかかりやすい営業方法です。顧客リストを作成して架電対象を絞れば、架電者の精神的負担を減らしながら業務の効率化が可能です。労力を抑えつつ成約率を高めるには、顧客リストの活用が欠かせません。
トークスクリプトを用意する
コールドコールの際は、トークスクリプト(台本)をあらかじめ用意しておくのがおすすめです。トークスクリプト作りのポイントは下記の通りです。
・簡潔かつわかりやすい言葉を使用する
・ターゲットの関心やニーズに合った質問をする
・想定される質問と回答例を用意しておく
・アポイントメントの取り方を工夫する
・フォローアップの方法を考えておく
トークスクリプトを用意すれば、スムーズに話を進められるため、架電による精神的な負担を減らせます。トークスクリプトを作成する際は、成約することではなく、話を聞いてもらうことを重視してください。
電話をかける時間帯に考慮する
電話をかける時間はターゲットに合わせて考えましょう。ターゲットがじっくり話を聞いてくれそうな時間帯を把握することが大切です。
一般的には午前9時〜11時、午後2時〜4時の間が成約につながりやすいため、電話をかける際の目安にしてみてください。
まとめ
自社に興味がない企業に電話営業をかけるコールドコールは、うまくいけば認知度アップにつながりますが、失敗すれば企業のイメージダウンにつながる可能性があります。
コールドコール以外にもさまざまな営業手法があるので、どれが自社に合っているかを考えてみましょう。