アプローチ別|インサイドセールスのアポ獲得率の平均は?
インサイドセールスのアポ獲得率は、「アポ獲得数÷アプローチ数×100」で求められます。まずは各手法の平均値を紹介しましょう。
業者から購入したリストに電話する
購入した営業リストへの電話によるアポ獲得率は、平均して0.3~0.7%程度です。
なぜこれほど低い数値になるのでしょうか。リストに掲載されている対象はまだ育成されていないリードなので、アポ獲得にはつながりにくいのが主な理由です。購入リストの企業は、自社のサービスや商品に対する関心度が低く、そもそも課題認識すら持っていない可能性が高いためです。
ただし、購入リストでのアプローチは決して無意味ではありません。一度のアプローチで諦めず、継続的なフォローアップを組み合わせることで、徐々に関心を高めていくことができます。
メールに反応があった顧客に電話する
メールに何らかの反応を示した見込み客に対する電話でのアポ獲得率は、平均5~10%程度です。これは購入リストへの電話と比較すると、10倍以上の高さです。
高い獲得率を実現できる理由は明確です。一定の興味・関心がある顧客なので、高い獲得率になるのです。メールのリンクをクリックしたり、資料をダウンロードしたりという行動は、少なからず興味を持っている証拠といえます。
イベントなどで名刺を獲得した顧客に電話する
展示会やセミナーなどのイベントで名刺交換を行った相手への電話は、平均10%程度。これは今回紹介する手法の中でも最も高い数値です。
なぜこれほど高い獲得率になるのでしょうか。インサイドセールス以前に直接対面でのコンタクトを果たしているため、相手にとっては売り手企業に面識がある状態だからです。飛び込みではないことから、担当者につないでもらえる可能性につながります。
ただし、この手法には限界もあります。イベント参加は時間とコストがかかり、一度に獲得できる名刺数にも制限があるためです。そのため、他の手法と組み合わせながら、質の高いリードを効率的に活用することが重要になります。
購入リストをもとにメールする
購入したリストへのメールアプローチによるアポ獲得率は、0.3%から5%の範囲内です。この幅の広さは、リストの質やメール内容によって結果が大きく変わることを示しています。
獲得率に影響する要因としては、メールの内容やターゲットへの適合性が考えられます。同じリストを使っても、件名の工夫や本文の個別化、送信タイミングなどによって結果は大きく変わります。
メールでのアプローチは一度に大量送信が可能というメリットがありますが、開封率自体が低いという課題もあります。まずは開封されるような件名作りから始め、段階的に改善を重ねていくことが成功への近道です。
購入リストをもとにFAXする
FAXを活用したアプローチのアポ獲得率も、0.1%から5%の範囲内と幅広い数値となっています。メールと同様に、リストの質と内容の工夫次第で大きく結果が変わります。
現代においてFAXは古い手法と思われがちですが、特定の業界や市場においては依然として有効な手段です。特に製造業や建設業など、まだFAXが現役で活用されている業界では、メールよりも確実に担当者の目に触れる可能性があります。
FAXの特性を活かすためには、視覚的にインパクトのあるデザインや、簡潔で分かりやすいメッセージが重要です。また、送信後のフォローアップも欠かせません。
アポ獲得率を上げる8つのコツ
アポ獲得率の平均値を理解したところで、次は実際に獲得率を向上させるための具体的なコツを習得していきましょう。これらの手法は、どの業界・業種でも応用可能な実践的なテクニックです。ひとつずつ着実に実行することで、必ずアポ獲得率の改善を実感できるはずです。
1.ターゲットを明確にする
アポ獲得率向上の第一歩は、顧客の属性やニーズの把握から始まります。漠然とした顧客像ではなく、具体的なペルソナを設定することが重要です。
効果的なターゲティングのためには、まず自社の商品・サービスが最も価値を提供できる顧客層を特定します。業界、企業規模、抱えている課題、意思決定プロセスなど、できる限り詳細に設定してください。
そして、トークスクリプトやメールテンプレートには、ターゲットに対する具体的な訴求ポイントを盛り込むことで、相手にとって「自分事」として受け取ってもらえるメッセージが作成できます。「このサービスは私たちの課題を解決してくれそうだ」と感じてもらえれば、アポイント獲得の可能性は格段に高まります。
2.商材のメリットは短時間で伝える
電話でのアプローチにおいて、限られた時間で商材のメリットを的確に伝えるスキルは必須です。長々と説明していては、相手の関心を失ってしまいます。
成功のポイントは、商材の最大のメリットを1分以内に伝えられるよう要点をまとめることです。商品・サービスの特徴をすべて説明したい気持ちは分かりますが、最初のアプローチでは「興味を持ってもらう」ことが目標です。
具体的には、「〇〇の課題を〇〇%削減できる」「〇〇時間の業務効率化を実現」など、数字を使った具体的な効果を簡潔に伝えるようにしましょう。詳細な説明は、アポイントを取得してからじっくりと行えば良いのです。
3.適切なタイミングに電話する
アポ獲得率を大きく左右するのが、電話をかけるタイミングです。相手の都合を考慮しないアプローチは、どんなに優秀な商品でも断られてしまいます。
避けるべき時間帯として、朝礼やミーティングがある始業直後や、12時から13時の昼休みの時間帯は避けた方が賢明です。これらの時間は、相手が忙しかったり離席していたりする可能性が高いためです。
効果的なアプローチのためには、事前にターゲットの行動パターンをリサーチし、最適な時間帯を選定することが重要です。業界や職種によって最適なタイミングは異なりますので、自社のターゲット顧客の特性を理解し、データを蓄積していきましょう。
4.落ち着いた声を意識する
電話での印象は、声のトーンで大きく決まります。営業電話だと身構えられないよう、落ち着いたトーンで応対し、誠実さや信頼感といった好印象につなげることが大切です。
多くの営業担当者が陥りがちな失敗として、「明るくはきはきと」の度が過ぎるとセールス色が高まる という点があります。テンションが高すぎると、相手に警戒心を与えてしまう可能性があります。
理想的な話し方は、友人や同僚と仕事の話をする時のような、自然で落ち着いたトーンです。相手の立場に立って、「この人となら話をしてみたい」と思ってもらえるような声の使い方を心がけましょう。
5.アクティブリスニングを活用する
一方的な売り込みではなく、相手の話に真摯に耳を傾けることで、アポ獲得の可能性を高められます。アクティブリスニングとは、単に相手の話に耳を傾けるだけでなく、共感や賛同の意を示しながら適切な質問を投げかけるヒアリング技術です。
一方的に説明するのではなく、アクティブリスニングによって顧客のニーズを引き出すことができます。相手が自分から課題や困りごとを話してくれれば、それに対する解決策としてアポイントを提案できるため、成功率が格段に向上します。
具体的には、「そのような課題をお抱えでしたら、弊社の事例が参考になるかもしれません」といった形で、自然にアポイントへとつなげていきます。
6.メールの件名・内容を工夫する
メールでのアプローチにおいて、開封率と返信率の両方を高めるためには、件名と内容の両面で工夫が必要です。担当者が思わず開きたくなるような件名にすることが第一歩です。
件名では、相手の興味を引く具体的なメリットや、緊急性を感じさせるキーワードを使用しましょう。ただし、煽りすぎると迷惑メールと間違われる可能性もあるため、バランスが重要です。
内容については、一斉配信のテンプレートメールではなく、個別のニーズや状況に合わせた内容にすると効果的です。相手の会社名や業界特有の課題に触れることで、「このメールは自分に向けて書かれている」と感じてもらえます。
7.メールを適切な時間に配信する
メールの内容が素晴らしくても、送信タイミングが悪ければ見逃されてしまいます。配信時間と配信曜日を見極めるのが重要です。
効果的な送信タイミングとして、通勤時間帯、昼休み直後など、相手がメールを確認しやすい時間帯をおすすめします。多くのビジネスパーソンは、朝の通勤時間や昼休み明けにメールチェックを行う傾向があります。
一方で、週末はメールの開封率が低く、月曜日は週末に溜まったメールを一気にチェックするため、避けた方が良いとされています。火曜日から木曜日の午前中や午後の早い時間が、最も効果的な配信タイミングです。
8.メールは読みやすい文字数にする
メールの文章量は、相手の負担を考慮して調整することが重要です。長すぎるメールは読まれません。ポイントを絞って300字~500字程度にまとめることで、最後まで読んでもらえる可能性が高まります。
短い文章の中で効果的に訴求するためには、最も重要なメッセージを冒頭に持ってくることが大切です。相手の課題認識、自社の解決策、具体的なメリットの順番で構成すると、自然な流れでアポイントの提案まで導けます。
そして、メールには適切にCTA(Call to Action)を設置することを忘れてはいけません。「ぜひ一度お話しさせていただけませんでしょうか」といった明確なアクションを促す文言で、メールを締めくくりましょう。
インサイドセールスのアポ獲得率向上には外注も有効
これまで解説してきた手法を自社で実践することは非常に有効ですが、さらなる効率化と成果向上を求めるなら、専門業者への外注も検討する価値があります。
インサイドセールスのアポ取りを専門業者に外注することで、いくつかの大きなメリットを得られます。まず、業務に集中できる環境が整います。アポ取りという時間のかかる作業を外部に委託することで、あなたのチームは商談や顧客対応により多くの時間を割けるようになるでしょう。
さらに重要なのは、プロのスキル活用によりアポ獲得率を上げることが可能という点です。専門業者は数多くの企業でインサイドセールスを実践してきたノウハウを持っており、業界や商材に応じた最適なアプローチ方法を熟知しています。
外注を活用する際は、新規開拓のみ任せるなど、自社に合わせた導入方法を検討することが重要です。すべてを外部に依存するのではなく、自社の強みを活かせる部分は内製化し、効率化したい部分を外注するという使い分けが成功のカギとなります。
近年のインサイドセールス代行サービスでは、DXを活用した効率的な営業代行が可能になっています。
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まとめ
インサイドセールスのアポ獲得率は手法により大きく異なります。獲得率向上には、ターゲット明確化、メリットの簡潔な伝達、適切なタイミングでのアプローチが重要です。専門業者への外注も効果的な選択肢として検討し、自社の営業力を最大化させましょう。