SDRとBDRとは?
SDRとBDRは、いずれもインサイドセールスを行う営業組織ですが、異なる役割を担っています。では、それぞれ、どのような営業組織なのか、インサイドセールスにおいて担っている役割を中心に見ていきましょう。
SDR(Sales Development Representative)とは?
SDRはインバウンド型の営業組織です。顧客からの問い合わせや資料請求などの反響を受けて営業活動を行います。
問い合わせや資料請求などをする企業は、すでに自社の商品やサービスに対して一定の興味関心を抱いている見込み客です。SDRは、そのような見込み客を対象にした商談の獲得を担っています。
BDR(Business Development Representative)とは?
BDRはアウトバウンド型の営業組織です。自社がターゲットとする企業を対象に戦略的にアプローチを行います。
BDRはうまくいけば大きなリターンを得やすいのが特徴です。しかし、SDRと比べて難易度が高く、十分なノウハウがないとなかなかうまくいきません。そのため、企業によっては、インサイドセールス代行を利用することもあります。
インサイドセールス代行について詳しくは下記の記事をご覧ください。
「「インサイドセールスの成果が出ない…」代行するメリットとは?」
SDR・BDRが注目されている背景
現在、企業の成長目標達成のために効率的な営業プロセスが求められ、SDRとBDRが注目を浴びています。では、その背景にある社会情勢の変化について見ていきましょう。
購買行動の変化
2000年代以降はインターネットの普及により、顧客は自ら情報収集をするようになりました。その反面、従来の営業アプローチは通用しづらい状況に変化してきています。特に訪問型の営業アプローチを敬遠する顧客が増えているのが実情です。
デジタル化により顧客との接点も多様化していることから、専門的な知識が必要な場面も増えています。
また、オンラインでの情報収集が主流になったため、初期段階からの関係構築の重要性が高まっています。
データ駆動型アプローチの台頭
さまざまなツールの発達も、SDRとBDRが注目されている背景のひとつです。CRMなどのツールが発達したことで、営業活動の詳細な分析が可能になりました。KPIの設定や測定に関しても、ツールの活用により以前より容易に行えます。SDRとBDRの活動効果も可視化できるようになりました。
以前までの営業手法は、感覚や経験の重要性が高かったでしょう。しかし、科学的な営業手法が広がった現代では、感覚や経験だけに頼らない営業スタイルが普及しています。
SaaSビジネスモデルの普及
昨今ではサブスクリプションモデルが広がっています。これにより継続的な顧客獲得の重要性が高まりました。
サブスクリプションモデルのもとでは、顧客獲得コスト(CAC)と顧客生涯価値(LTV)の最適化が経営課題のひとつです。CACを抑えLTVを高めるための新規顧客獲得の専門チームとして、SDRとBDRの需要が増しています。
SDRとBDRの違い
組織の営業活動全体でみた場合、SDRとBDRは果たすべき役割が異なります。次の5つの切り口からSDRとBDRの違いをみていきましょう。
業務内容と役割
SDRはマーケティング部門から引き継いだリードを商談化した上で、フィールドセールスに引き継ぐのが主な業務です。商談化の可能性を高めるため、リードのスクリーニングやナーチャリングも行います。
これに対して、BDRは新規ビジネスの機会を創出するために、ターゲット企業をリストアップし直接アプローチをするのが主な業務です。アウトバウンドでのアプローチを通じて潜在的な顧客との接点を増やし、商談の機会を創出します。
求められる責任
SDRに求められる責任はリードの品質の確保やアポイントメントの設定です。特定のリードを深掘りし、自社の商品やサービスへの関心を深めます。受動的アプローチが中心なのが特徴です。
これに対して、BDRはリードをSDRに引き渡すことが求められます。潜在顧客を発掘したり初回コンタクトを実施したりしなければなりません。新規のビジネス機会を広範囲に捉える必要があります。SDRとは逆に能動的アプローチが中心です。
リードとの関係構築
SDRはリードを商談に進めて取引を成立させるために、短期間で効率的なコミュニケーションを取る必要があります。その一方で、あまり深い関係の構築までは求められません。
一方BDRは、潜在顧客を対象とするため、深い関係構築が求められます。長期的な信頼を構築できるかどうかが重要です。
アプローチ方法
SDRでアプローチをする対象は、Webサイト経由で問い合わせや、資料請求してきた見込み客です。すでに一定の興味や購買意欲がある状態から、さらに高めるためのアプローチを行います。
これに対して、BDRが行うのは、コールドコールやメールの送信などです。新規顧客獲得のためのアプローチをします。コールドコールとは、まったく接点のない相手に対して営業電話をかけることです。
コールドコールについて詳しくは下記の記事をご覧ください。
「コールドコールとは?メリットとデメリット・成功している企業の手法を紹介」
ターゲット
SDRのターゲット対象は主にSMBです。SMBは主に中小企業のことで、数が多く高い受注率が見込めます。その一方で、受注単価はあまり期待できません。
逆にBDRはエンタープライズ層をターゲットとしています。エンタープライズ層は主に大企業のことで、中小企業と比べると数が少なく受注率も低めです。しかし、受注単価が高く継続受注しやすい傾向にあります。
SDRとBDRの導入時のポイント
SDRとBDRを導入する際には、次のようなポイントを意識しておきましょう。
役割分担を明確にする
SDRとBDRで役割分担を明確にしておく必要があります。問い合わせや資料請求への対応はSDRが担当し、新規開拓のためのメール送信やコールドコールはBDRという具合です。役割分担が明確なら、効率的にアプローチできます。
戦略の方向性を定める
SDRとBDRで活動内容は異なるものの、組織全体としての営業目標を達成するための活動という点で共通しています。別々に活動をしていると方向性を見失いがちなため、両者で定期的に確認が必要です。
方向性を見定めた上で、SDRとBDRに適した戦略を策定しましょう。
KPIを設定する
KPIとは、目標に対する成果の達成度合いを評価するための指標です。成果を測るためには適切なKPIを設定しなければなりません。
SDRなら問い合わせや資料請求の件数をKPIに設定するのが良いでしょう。BDRなら新規リードの獲得数やターゲットへの接触数などがKPIの具体例としてあげられます。
部門間の連携を取る
SDRやBDRはインサイドセールスとして行いますが、マーケティング部門とフィールドセールス部門の両方と密接な関わりがあります。
マーケティング部門からはリードの供給を受け、フィールドセールス部門には商談化したリードを引き継ぐでしょう。マーケティング部門とフィールドセールス部門の橋渡しがインサイドセールスの役割です。
相互にコミュニケーションを取りながら、引き渡し先のフィールドセールス部門が満足できるSQLを創出することが求められます。
ツールを活用する
ツールを活用するとSDRやBDRを効率良く行えます。例えば、営業支援ツール(SFA)・顧客管理システム(CRM)・マーケティングオートメーションツール(MA)などが効果的です。
まとめ
SDRとBDRはいずれもインサイドセールスとして行われる営業です。オンラインでの情報収集やサブスクリプションモデルの普及によりSDRとBDRが注目を浴びています。SDRはインバウンド型、BDRはアウトバウンド型という点が大きな違いです。導入の際には、それぞれの役割分担を明確にし、戦略の方向性を定める必要があります。
ただ、自社内でSDRとBDRを導入するのが難しい場合もあるかもしれません。その場合にはDX営業代行の利用をご検討ください。
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